スタック金型の構造、DFM確認項目、見積り資料

スタック金型は、射出成形機の型開き方向に沿って、成形面を2段以上に配置する金型構造です。 同じ投影面積内でキャビティ数を増やせる可能性がありますが、生産量やコストの一定改善を保証するものではありません。適用可否は、製品形状、樹脂、ランナー、冷却、型開きストローク、射出・可塑化能力、必要型締力、エジェクション、取出し方法によって変わります。

ここでは、一般的な多個取り金型とスタック金型を比較する前に整理すべき資料とDFM確認項目を説明します。

スタック金型とは

一般的な金型は主な成形面を1面持ちます。スタック金型はセンター部の両側などに複数の成形段を設けます。各段に1個または複数のキャビティを配置でき、充填、冷却、型開き、製品取出しを一つのシステムとして同期させる必要があります。

2段の成形面とセンター部を持つスタック金型の構造例
スタック金型の配置例。最終構造は製品、成形機、プロジェクト条件によって決まります。

センター部には、キャビティインサート、ランナー部品、冷却回路、型開き制御機構などが配置される場合があります。複数のパーティング面で荷重を受けるため、支持とガイドの安定性が重要です。また、受入れ側の成形機と製品取出し方法に合う構造でなければなりません。

検討に必要なプロジェクト条件

スタック金型はすべての製品に適用できる標準解ではありません。キャビティ数を増やしながら投影面積を抑えたい場合に、次の条件を比較します。

  • 製品形状、投影面積、肉厚、抜き勾配、外観、重要寸法
  • 樹脂の正確なグレード、収縮データ、成形上の制限
  • 必要数量、目標キャビティ数、使用予定の成形機
  • 射出・可塑化能力、必要型締力、型開きストローク、タイバー間隔
  • 各成形段の充填・圧力バランス
  • 冷却バランス、水・電気・センサー・温調器の接続
  • ロボット、コンベヤー、作業者を含む製品取出し方法
  • 金型費、保全性、予備品、評価・承認範囲

キャビティ数が2倍になっても、生産量が必ず2倍になるとは限りません。サイクルは、充填、冷却、型開き、エジェクション、取出しの中で最も時間を要する条件に左右されます。成形機の能力が制約になる場合もあります。

設計前に必要な製品・設備資料

資料 確認目的
3Dデータと2D図面 形状、投影面積、抜き勾配、アンダーカット、重要寸法、表面要求を確認します。
樹脂グレードとTDS 収縮、温度条件、必要圧力、ランナー適合性を確認します。
数量とキャビティ目標 金型案、評価範囲、保全計画を比較します。
成形機のメーカーと型式 プラテン、タイバー、デーライト、型開き、エジェクター、射出・可塑化能力、使用可能な制御を確認します。
ランナー・ゲート条件 充填バランス、圧力損失、ゲート跡、材料ロス、温調を検討します。
製品取出し方法 型開き順序、エジェクション、ロボット範囲、コンベヤー方向、インターロックを調整します。
検査・受入れ基準 段間・キャビティ間の比較、寸法、外観、機能の確認資料を定義します。

初期資料は射出成形金型RFQデータチェックリストで整理できます。製品設計が未確定の場合は、金型設計前のDFMチェックリストを使って、金型設計を開始する前に決める項目を確認します。

スタック金型の主なDFM確認項目

キャビティ配置と投影面積

キャビティ配置は、型締条件、金型寸法、ランナー長さ、センター部の荷重に影響します。投影面積は製品とランナーの実条件で確認します。目標キャビティ数は、使用予定の成形機を確認してから確定します。

充填・圧力バランス

各段に安定した溶融樹脂を供給できることが必要です。ランナー経路、ノズル、マニホールド、ゲート、成形条件を一緒に評価します。解析は検討を支援しますが、選定した成形機と樹脂によるトライ結果で最終確認します。

温度・冷却バランス

センター部を含め、成形段ごとに冷却回路を確認します。冷却差があると、段ごとに収縮、寸法、外観が異なる可能性があります。水路、流量、継手、温調ゾーン、保全、漏れ確認を設計段階で整理します。

支持、ガイド、配管・配線

センター部は型開閉の全工程で安定してガイドされる必要があります。支持部品、摩耗部、ロック、配線、ホース、ホットランナー接続は、動作中に挟み込みや損傷が起きないように配置します。保全部門が必要な箇所へ安全にアクセスできることも確認します。

型開き順序とエジェクション

スタック金型では、各成形段が製品取出しに必要な開き量へ到達するよう、型開き順序を制御します。機械式、油圧式、または承認された別方式を、ストローク、荷重、タイミング、安定性、保全性、成形機条件から選定します。

エジェクションは型開きと取出し方法に合わせます。エジェクターピン、スリーブ、ストリッパー、エアアシストなどは、製品形状と受入れ基準に応じて選定します。戻り確認と干渉防止も設計レビューに含めます。

関連情報は金型設計・製作プロセス金型検査・妥当性確認をご覧ください。

ランナー方式はプロジェクトごとに選定

ホットランナーとコールドランナーは、樹脂、製品、ゲート条件、材料ロス方針、温調、保全体制、商業条件を基に比較します。コールドランナーだから品質が低い、または自動化できないとは限りません。ホットランナーだから充填バランスが自動的に保証されるわけでもありません。どちらも適切な設計と評価計画が必要です。

トライ・妥当性確認の資料

承認は「金型が動作した」という一般的な判断ではなく、合意した基準に基づいて行います。確認資料には次の項目を含めることができます。

  • キャビティ・成形段ごとの充填状態と製品重量
  • 合意したサンプル計画による重要寸法、外観、機能
  • 温度・冷却バランスの観察結果
  • 型開き、戻り、エジェクション、製品取出しの順序
  • 対象範囲に含まれるホットランナー、センサー、インターロックの動作
  • 修正記録と次回トライまたは出荷前の未完了項目

射出成形金型の品質管理設備・生産能力情報もプロジェクト計画の参考にしてください。

よくある質問

スタック金型は必ず生産量を2倍にできますか?

いいえ。成形段とキャビティを増やせる場合がありますが、実際の生産量はサイクル、成形機能力、充填・冷却バランス、型開き・エジェクション、取出し方法によって決まります。

既存の成形機に搭載できますか?

対象となる成形機の型式を確認してから判断します。プラテン、タイバー、型開きストローク、デーライト、必要型締力、射出・可塑化能力、エジェクター、配管・配線、制御を確認します。

ホットランナーは必須ですか?

すべてのスタック金型に共通するランナー方式はありません。樹脂、形状、ランナーバランス、ゲート要求、制御、保全、承認された商業条件に基づいて選定します。

技術レビュー用データの送付

HA NOI MOULD TECHNOLOGY COMPANY LIMITED(HANOI MOULD)は、製品データ、樹脂グレード、数量、成形機情報、受入れ基準を基にスタック金型案を確認します。金型案や見積りを確定する前に、未決定の技術項目を整理します。

技術レビューと見積りのためにプロジェクト資料を送る

WhatsApp 0912 308 979
Zalo Chat Zalo

Chat Zalo

電話で相談+84912308979